ようごしゅう用語集
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アルマ・アタ宣言上巻12
1978(昭和53)年、現在のカザフスタン共和国・アルマティ(当時は、ソビエト連邦、アルマ・アタ)で開催されたWHO,UNICEF主催の国際会議で採択された宣言文。この会議で、「西暦2000年までにすべての人に健康を」という目標を定め、そのための世界戦略として、プライマリー・ヘルス・ケア(PHC)と言う理念を打ち出した。
一汁三菜上巻27
一汁三菜(いちじゅうさんさい)は、主食、汁物、主菜、副菜2品からなる献立構成の一つ。戦前の日本に多かった一汁一菜の粗食を脱し、戦後、伝統的な懐石料理が家庭料理風にアレンジされ、いわゆる定食型として定着した。現代では、日本型食生活と呼ばれる「バランスがとれた食事」の基本型とされている。
炎症上巻74
感染や損傷に対する組織の反応、すなわち生体の防御反応の一種。急性のものは発赤、腫(は)れ、疼痛(とうつう)が特徴。炎症細胞と呼ばれるリンパ球や、白血球などの食細胞が組織内に出現して、免疫機構を反映した異物処理や諸種サイトカインの発現を示すほか、局所血管の拡張など血管系の反応、ヒスタミンなどケミカルメディエータと呼ばれる化学物質の関与が見られる。
LDH上巻102 ・中巻12
乳酸脱水素酵素のことで、体内で糖質がエネルギーに変換されるときに働く酵素。これを含む細胞が壊れると血液中に漏出する。LDHは肝臓、赤血球、筋肉、がん細胞などにあり、数値が上がる場合には、肝炎など肝臓が悪い場合や赤血球が溶血などで壊れた場合、心臓の筋肉が壊れた心筋梗塞の場合、白血病などの悪性腫瘍のときに値が高くなる。
LAP上巻102・ 中巻12
別名、ロイシンアミノペプチダーゼ。ロイシンなどのタンパク質を分解する酵素で、健康な人では胆汁中に多く含まれる。胆管などの胆道系が閉塞し、胆汁がうっ滞すると、血液中のLAP は高値になる。また胎盤性LAPは胎盤に含まれ、妊娠によって血液中に出てくるため、胎盤機能検査としても測定される。
インスリン上巻103
膵臓に存在するペプチドホルモンの一種。生理作用としては、主として糖質の代謝を調整する。骨格筋などに作用してブドウ糖、アミノ酸、カリウムの取り込みやタンパク質合成を促進させる。血糖値の恒常性維持に重要なホルモンで、血糖値を低下させるため、糖尿病の治療に用いられることはよく知られている。
オージオメーター上巻104
主に純音によって聴力を測定する機械。健康診断や診療でしばしば用いられる。防音室でヘッドホンから聞こえてくる信号音を聞き、低い音から高い音まで色々な音の高さの聞こえ具合を調べる。
血中濃度上巻106
ある物質が体の中に入ると、血液に乗って全身へと運ばれていく。その時の血液中の物質の量を血中濃度と言う。
ヘモグロビン上巻107
赤血球中にあるタンパク質の一つで、酸素分子と結合する性質を持っており、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担う。赤色素であるヘムを持っているため赤色を帯びている。
アミノ酸上巻112
1分子内にアミノ基とカルボキシル基をもつ有機化合物の総称。ヒトの体の60~70% は水分で、20% がアミノ酸からなるタンパク質でできている。筋肉や消化管、内臓、血中のヘモグロビン、髪や皮膚のコラーゲンなど体の重要な組織を構成している成分。
医薬品医療機器等法 (旧薬事法)上巻128・中巻257
正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。日本国における医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医療品及び医療機器等の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。昭和35年(8月10日法律145号)に制定された薬事法が平成26年11月25日に大きく改正され、この名称に変更された。薬事法からの主な変更点として、①医療機器、体外診断用医薬品の規制を医薬品から独立させたこと、②再生医療等製品が新たに規制対象に加えられたこと、③安全性に関する規定が強化、明確化されたことが挙げられる。
FDA上巻131
食品医薬品局FDA(Food and Drug Administration)は、食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の政府機関。
ADL上巻141
日常生活動作と訳され、移動・排泄・食事・入浴・整容・服薬など、日常的に誰もが行っている生活動作。個人の生活習慣や尊厳に関わる部分が大きい。
IADL上巻141
手段的日常生活動作と訳され、料理・洗濯・掃除・買物などの「暮らしに関わる動作」。個人らしさだけでなく、性差や躾・育ち・地域環境などに影響されやすい。道具を使って行う動作も多く、環境作りから自立した生活への立て直しを行うことができる。
嚥下障害上巻146
嚥下障害とは、食べ物の飲み込みが悪くなること。原因には歯や義歯の不具合、唾液不足、嚥下反射の障害などがある。喉で詰まる窒息や食べ物が気管に入ってしまう誤嚥性肺炎を生じる。
エイズ患者中巻77
HIV と呼ばれるウイルスの感染を受けた患者。免疫不全症候群の症状を示し、諸種の病原微生物の感染を受けやすい。悪性腫瘍のカポジ肉腫を併発する症例もある。
HPV(ウイルス)中巻83
ヒトの皮膚、粘膜への感染により、乳頭腫、扁平上皮がんなどを誘発する。そのDNA 配列で100 ほどの型に分けられ、16.18 型は大部分に子宮頚がんの原因となる。
アルカロイド中巻83
植物に含まれる天然化学物質の一つ。茶のカフェイン、芥子: カラシ、ニコチンなど特殊の薬理作用を持つものが多い。
老人斑
老人脳、特に老年、アルツハイマー症の脳に見られる変化で、神経突起の特異な病変。中心にアミロイド( β – 糖タンパク; α-antichymotrypsin, タンパク分解酵素阻害物質)の芯があり、アルツハイマー原線維を含む変性化軸索成分が、前庭、冠に区別される同心円構造を示す(典型像)。前頭皮質、アンモン角、海馬などに多く出現する。 組織学的に鍍銀法で陽性を示す。
アミロイド中巻118
水に溶けない繊維状のタンパク質である。器官・組織内にアミロイドが異常に蓄積すると、アミロイド症などの血管(Apolipoprotein,Medin)や神経変性疾患(Alphsynuclein:パーキンソン病、ベータアミロイド:アルツハイマー型認知症)の原因などになるといわれている。
プリオンタンパク (PrP)
タンパク質から成る感染性因子で、タンパク質の誤って折りたたまれた( ミスフォールドした)状態を伝達することにより増殖する。ウシの牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)や、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)といった種々の哺乳類に見られる多くの疾患に関与する。
ウェルニッケ野中巻125
大脳左半球側頭葉上側頭回と中側頭回後部の領域を指し(C.Wernicke, 1874 により発見)、耳からの言語音の理解を可能とする。聴覚性言語中枢。
一酸化炭素中巻166
炭素を含む物質が燃焼すると二酸化炭素(CO2)が発生するが、酸素が不足している状態で不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生する。血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割をするが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っている。このため一酸化炭素があるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下してしまい、酸素不足に陥る。これが一酸化炭素中毒である。
健康増進上巻10
健康づくりとして、一人一人の国民が健康についての正しい知識を持ち、自らの健康状態を自覚し、よい生活習慣を実行するとともに、個人の努力だけではなく、国や地方公共団体も役割を分担して健康づくりを推進していく姿勢を示す用語。
QOL上巻10
Quality of Lifeの略語。「生活の質」と訳されることが多く、概ね「その人なりの充実感や満足感を持って日常生活を送ること」を意味する概念的用語。
健康運動指導士上巻14
保健医療関係者と連携しつつ安全で効果的な運動を実施するための運動プログラム作成および実践指導計画の調整などを行う役割を担う者を言う。健康運動指導士の養成事業は、昭和63年より厚生大臣の認定事業であったが、平成18年からは、財団法人健康・体力づくり事業財団独自の事業となった。
健康運動実践指導者上巻14
積極的な健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践指導できる能力を有すると認められる者として、健康運動指導士と同様に健康づくりのための運動指導者に与えられる称号。第2次国民健康づくり運動(アクティブ80ヘルスプラン)の一環として、平成元年より養成が開始された。
健康日本21上巻15
21世紀における国民健康づくり運動として、2000年に厚生省(当時)が開始した第三次国民健康づくり運動。健康日本21は通称。健康寿命の延伸を実現するために、具体的な目標を提示して、健康に関する全ての関係機関、団体を初め、国民全体が一体となった健康づくりを推進し、意識の向上と取り組みを促すことを目的としている。
国民健康・栄養調査上巻25
健康増進法に基づき、毎年11月に国民栄養調査が実施されています。この調査は、国民の身体状況、栄養素等の摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的に実施されています。
公衆衛生環境上巻29
国家、社会水準で健康を取り扱う環境。例えば、生活習慣病対策、伝染病(感染症)予防、公害対策、上水道・下水道、食品衛生など社会保障の基礎となる分野の充実度、環境。
希少糖上巻56
自然界に極めて少ない単糖でプシコースやアロースなど 50種あまりを発見。甘味はショ糖の7割、カロリーは 0.3%、さらに動脈硬化防止や抗酸化作用、がん細胞増殖抑制などの機能を有すことから近年注目されている。
梗塞上巻68
組織に血液を供給する血管(動脈)が狭くなったり、血栓により塞がって、流域下の組織に障害の起こること。
潰瘍上巻68
胃や腸管などの内面を覆う粘膜が崩れ、欠損した状態で出血を伴う。
膠原病上巻71
体に分布する結合組織(膠原性線維を含む)や血管の異常を示す病気の総称。特に皮膚や関節に見られる全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、強皮症、多発性動脈炎などが含まれる。免疫状態の異常を示す自己免疫疾患に属する。
喀痰上巻71
一般に気道と呼ばれる呼吸器系の臓器、すなわち口腔や鼻腔、咽喉頭腔や気管、気管支、肺胞などの粘膜からの分泌物の総称。通常、咳などにより体外に喀出され、痰と呼ばれる。喀痰には、細菌や種々の細胞などが混入していることが多く、気道あるいは肺の病変を反映するため、呼吸器疾患の場合には喀痰の検査は不可欠となる。
虚血性心疾患上巻78
冠状動脈の狭窄、硬化により心筋への血液の供給が妨げられる病気。心筋梗塞や狭心症が該当する。症状として、胸痛や動悸が主な症状だが、不整脈(脈拍の異常)、倦怠感のみの場合もある。
過食・飽食上巻78
食べ過ぎは、過剰なエネルギーを供給することになり、生理的な閾値を超過する負荷をからだに与える。長く続けていると、肥満症や糖尿病など生活習慣病の原因になる。
血圧上巻84
心臓のポンプ機能で血管に押し出された血液の流れる圧力を血圧と言う。最も高い圧は収縮期血圧、最も低い圧は拡張期血圧で、血液が心臓内に最も溜まっている状態に相当する。特に問題になるのは高血圧の状態で、循環器疾患、腎疾患などの生活習慣病の起こる危険信号と考えられ、改善が必要。
血糖値上巻84
血中のブドウ糖の濃度で 、正常でも食事の後に上昇するが、空腹時の血糖値の正常範囲は70 ~110mg/dL。インスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖が肝臓や筋肉に蓄えられるために血糖値は元に戻る。また、高血糖だけでなく、低血糖も危険な状態。
コレステロール上巻84
総血中のHDL、LDL などのリポタンパクの濃度で、220 mg/dL 以下が正常値。食事で脂肪を取りすぎると、中性脂肪と共に濃度が上昇する。生活習慣病の指標の一つでもあり、高い場合(あるいはHDL が低い場合)には運動や食事療法をはじめ、治療対策が必要となる。
階層化上巻98
特定健康診断の結果から、内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目して、リスクの高さや年齢に応じて保健指導のレベルを分けること。
甲状腺機能亢進症上巻106
甲状腺は首の前面(喉元)にある器官で、人体のエネルギー代謝や循環、内分泌機能、生殖などを調節するホルモンを分泌する。甲状腺機能亢進症とは、この甲状腺ホルモンが異常に多く分泌される病気。はっきりとした原因は不明で、20 ~30代の女性に多く、一般的に「バセドウ病」と呼ばれる。
経口ブドウ糖負荷試験上巻107
糖尿病の診断方法の一つ。糖尿病が疑われる患者に対して、短時間に一定量のブドウ糖を含む水溶液を飲んでもらい、負荷前後の血糖値の値から、糖尿病の有無を判断する検査。
血栓上巻110
血管内の血液が何らかの原因で塊を形成することで、主に血管壁が傷害されることによって起こる。通常、血栓の役割は止血だが、血栓が肥厚して血管を塞ぐと、その末梢組織に虚血や梗塞が引き起こされる。これを血栓症と言う。
筋ジストロフィー上巻113
筋線維の破壊・変性と再生を繰り返しながら、次第に筋萎縮と筋力低下が進行していく遺伝性筋疾患の総称。遺伝子の異常により進行性の筋力低下を示す。発症年齢や遺伝形式、臨床的経過などから様々な病型に分類され、最も発症頻度の高いのは「デュシェンヌ型」と呼ばれる。
狭窄上巻116
血管、尿管、気管、脊柱管、消化管といった、体内の管腔が狭まって細くなること。
介護サービス上巻142
介護保険制度上に位置付けられたサービス。在宅においては訪問介護の生活援助サービス(例:料理・掃除・洗濯)と身体介護サービス( 例:食事介助・排泄介助・入浴介助)の2種類がある。他に通所介護・通所リハビリテーション、訪問看護、短期入所生活介護・短期入所療養介護、福祉用具貸与などがある。施設サービスでは特別養護老人ホーム・老人保健施設・介護医療院がある。地域密着型サービスでは認知症共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、地域密着型通所介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などがある。
関節リウマチ上巻148
関節リウマチとは、関節を包む「滑膜」が炎症を起こし膝や肘、頸椎などの関節が腫れる自己免疫疾患で、緩解と増悪を繰り返しながら進行する。痛み・腫れは手足の小さな関節からゆっくりと進行し、運動制限や手のこわばりなどが見られ、進行するとさまざまな変形が現れる。圧倒的に女性に多く発症する。
構音障害上巻149
構音障害とは、発声などが聞き取りにくい話し方になること。原因には発声発語器官(唇・舌・喉・歯など)の麻痺による運動機能障害、口唇裂などの形態異常、音が正に聞き取れない聴覚障害まである。主な疾患に脳血管障害、脳腫瘍、脳外傷、脳性麻痺、パーキンソン症候群などがある。
義肢上巻150
義肢とは、四肢の一部を欠損した部分に装着する器具のことで、制度上は「補装具」と言う。上肢切断に用いる義手と下肢切断に用いる義足がある。義手は装飾用から仕事に使う作業用義手、日常生活動作と補完する能動義手まである。義足は切断した部位(大腿、下腿)によって種類は異なる。
冠動脈バイパス術中巻41
心臓に血液を供給する動脈である冠状動脈の詰まった部分(閉塞または狭窄部分)を迂回するように他の部位の血管(太ももの静脈や内胸動脈など)をつなぎ、血液の新しい通り道(バイパス)を作ることで、血流を回復させる手術。狭窄部位が多数ある場合、心カテーテルで治療するのが難しい場所が狭窄している場合などで行われる。
高尿酸血症中巻
内臓脂肪が蓄積されると、脂肪細胞からたくさんの遊離脂肪酸が分泌される。それが血流によって肝臓に運ばれると、プリン体の代謝が過剰になり、老廃物である尿酸がたくさんつくられるようになる。血液検査によって尿酸値が7mg/dl以上確認されると、高尿酸血症と診断される。尿酸値は、メタボリックシンドロームの検査項目には含まれていないが、内臓脂肪の蓄積状況を知るための目安とされている。検査で尿酸値が高いことが分かった場合、血圧や脂質・血糖の値なども調べて、メタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクがないか調べることが肝心である。検査の結果で尿酸値のみが高い場合、生活習慣の改善のみで改善できる可能性があり、これによってメタボリックシンドロームの改善も期待される。この状態が長時間続くと、痛風や尿路結石といった激痛を伴う病気になりやすくなる。
骨粗鬆(しょう)症中巻66
骨代謝バランスが崩れ、もろくなった状態のこと。骨は骨芽細胞によって骨形成されると同時に破骨細胞によって骨吸収され、常に新しく作り直されるという新陳代謝(リモデリング)を繰り返している。通常は骨吸収と新たな骨形成のバランスが保たれているが、これが崩れて骨吸収が上回った状態が続くと骨量が減少してしまう。その結果骨がもろくなり、容易に骨折するような状態になるのが、骨粗鬆症である。原因としては、骨を形成するカルシウムやマグネシウムの不足や、カルシウムの吸収に必要なビタミンDなどのビタミンがバランスよくとれていないことが挙げられる。また適度な運動によって骨に一定以上の負荷をかけないと骨形成におけるカルシウムの利用効率が悪くなるため、運動不足も骨粗鬆症の要因となる。
膠芽腫中巻76
神経膠腫(グリオーマ)の中で、未熟な膠芽細胞から発生した腫瘍で、最も悪性度が高い。成人男子に多く発生し、頭蓋内腫瘍の10%を占める。多彩な組織像を示すのが特徴で多形膠芽腫(グリオブラストーマ)とも呼ばれる。
感染症中巻78
病原性微生物が生体中に進入して発症する病気。経皮(皮膚感染)、経口、経気道などの経路を取る。
国際がん研究機関 (IARC)中巻102
国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)とは、世界保健 機関(WHO)の専門機関であり、化学物質や喫煙などによっておよぼされる発がん性のリスクに ついて調査・研究とがん対策を推進する機関である。IARCの発がん性評価は、対象となる作用因子、 たとえば、物理的因子、化学的因子、特殊な環境因子等による定性的な評価(発がん性の性質の程度)をグループ別に分類するものであり、定量的な評価(発がん性の強さ)を分類するものではない。
クールー病中巻121
パプアニューギニアの高地の原住民に流行した神経病であり、食人の儀式が廃止されてから減少した。ヒトの海綿状脳症であるクロイツフェルト・ヤコブ病や羊のスクレイピー病と同様のプリオン病に属する。
クリューヴァー・ビューシー症候群中巻123
KlueverとBucyが試みた動物脳の前側頭葉の切除時に現れた偏食、性的奇行、言語障害と同様の症候群。
抗生物質中巻130
放線菌・カビなどの微生物により作られ、他の微生物・細胞の発育や機能を妨げる物質。例: ペニシリンなど。
誤嚥性肺炎中巻174
老化や脳血管障害の後遺症などにより、飲み込む機能(嚥下機能)や咳をする力が弱くなると、口腔内の細菌、食べかす、逆流した胃液などが誤って気管に入りやすくなる。その結果、発症するのが誤嚥性肺炎である。なかでも寝ている間に少量の唾液や胃液などが気管に迷入して起こる不顕性の誤嚥は、本人も自覚がないため、繰り返し発症することが多い特徴がある。体力の弱っている高齢者では命にかかわるケースも少なくない病気である。誤嚥そのものは完治することが難しいため、口腔ケアによって細菌や食べかすを減らし、口腔の清潔を保つことが安全かつ効果的な予防法となる。
世界保健機構(WHO)上巻10
人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関(国連機関)のこと。英語では World Health Organization略してWHO、フランス語では Organisation Mondiale de la Santé 略してOMSと称される。
食育上巻16
「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食教育を言う。明治時代の軍医石塚左玄による造語。現代では、生きるための基本的な知識であり、知識教育、道徳教育、体育教育の基礎となるべきもの、と位置づけられている。
人口動態統計上巻18
一定期間中における人口の変動の状態。主に出生・死亡・婚姻・離婚などの数が市区町村より作成され、これらを収集し集計したものを言う。
生産年齢人口上巻18
15歳から 64歳までの人口をいう。人口の年齢構造を分析する上で、0~14歳を年少人口、65歳以上を老年人口とする3区分が用いられる。
死亡診断書上巻21
死亡事由などについて記した死亡を証明する効力を持つ書類。診断した医師もしくは歯科医師のみが死亡診断書を発行できる。
摂取エネルギー上巻21
食べた食べ物に含まれるエネルギーを言う。食物に含まれる栄養素のうち、糖質、脂質、タンパク質は、体内で熱や力(エネルギー)を発生する。エネルギー量を熱量に換算し、それを測る単位がキロカロリー(kcal)。糖質、タンパク質は1gにつき4kcal、脂質は1gにつき 9kcalのエネルギーを持つ。
食事バランスガイド上巻33
「食事バランスガイド」は、健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された2000(平成12)年発表の「食生活指針」を具体的に行動に結び付けるものとして、2005(平成17)年に農林水産省と厚生労働省により策定された。先進国で発表されていたフードガイドを参考に、「バランスのよい食事のあり方」を分かりやすく示すため、一日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかをコマのイラストで示している。
最大酸素摂取量上巻36
「単位時間当たりに体内に酸素を取り込める最大の量」を言う。最大酸素摂取量が大きいほど「全身持久力が優れている」と評価される。測定法には、直接法と間接法がある。直接法は、自転車エルゴメーターやトレッドミルなどを用いて最大努力での運動中に採気された呼気ガスを分析し、1分間に体内に取り込まれる酸素の最大量を算出する。一方、間接法では、心拍数や運動負荷などから最大酸素摂取量を推定する。
ストレス社会上巻37
現代社会の象徴的な言葉として使われる。子どもから大人までが、不安や過労などの悪いストレスを感じやすい社会構造を言う。
腫瘍上巻71
体の一部の細胞が勝手に増殖して、圧迫や様々の影響を与える病。程度の軽い良性腫瘍と、増殖が激しく血管破損(下血)など影響の大きい悪性腫瘍(がん、白血病、肉腫など)に分けられる。
循環器疾患上巻78
全身へ血液・リンパ液を供給する心臓・血管系の病気。症状は、脈の異常、動悸から、胸痛・呼吸困難や失神、大出血といった生命に関わる重大なものまで様々である。
ストレス上巻80
生体には外部の環境変化に関わらず、体温や血圧などの体内環境を一定の状態に保つ仕組み(恒常性)が備わっているが、生体の恒常性に変化を及ぼす緊張状態をストレスという。
COPD (慢性閉塞性肺疾患)上巻82・中巻59
たばこの煙を代表とする吸入された毒素によって、免疫反応が引き起こされ、その結果増えているたんなど排出物による気道の閉鎖がおこりやすい状態。たんを伴うせき、息切れが何年にもわたって続き、息を吐く時間がのび、ぜいぜいするという症状がある。ひどい場合には、体重減少・やせ、気胸、心不全や呼吸不全を伴う。長い経過を経て至る状態であり、そもそも気道や肺胞などの組織が破壊されてしまっていること、またたんなどによる気道の閉塞そのものからなることから、肺炎などへの進行へつながりやすく、また階段や坂道をのぼるといった、ちょっとした日常生活での運動でも息切れが出てくる。重症の場合には、携帯用酸素ボンベなどを用いて、酸素を補充する必要がある。
スクリーニング検査上巻98
スクリーニングとは「ふるい分け」の意味で、ある状態の人々と、そうでない人々を可能な限りふるい分けることを目的とした検査。一般的に検査結果を陽性と陰性でふるい分けることが多い。
生体電気インピーダンス法上巻103
体に微弱な電流を流して、生体の電気インピーダンス(電圧と電流の比)を測定することにより、体脂肪率を推定する方法。簡便で、広く普及している。市販されている体脂肪計のほとんどはこの方法を用いている。
細胞診検査上巻112
婦人科材料・腹水・胸水・尿・喀痰などのいろいろな検査材料で、異型(悪性)細胞がないかどうかを確認する検査。細胞以外にもウイルス感染の有無や炎症性疾患などの治療に役立つ情報を得る。
縦隔上巻115
左右の肺と胸椎、胸骨に囲まれた部分で、上部は頚部、下部は横隔膜である。縦隔には心臓をはじめとする重要な臓器が存在する。
石灰化上巻116
体内の組織にカルシウム塩が沈着する現象。脊椎動物の骨は主としてリン酸カルシウムが炭酸カルシウムと共に沈着して起こる。骨組織を作る骨芽細胞はアルカリ性リン酸酵素に富み、それが細胞外に分泌されるとそこにリン酸イオンが増加し、これがカルシウムイオンを招いて石灰化が起こる。
スイッチOTC上巻130
医療用医薬品から一般用医薬品に転用された医薬品は「スイッチOTC」と呼ばれており、医師に受診して病院からもらう薬や、薬局で処方せんによって調剤してもらう医療用医薬品を薬局で買えるようにしたものである。医療用としてのみ使用が認められている成分の中で、広く使用され、比較的副作用が少なく、安全性の高いものを一般用医薬品として切り替えるので、転用医薬品=スイッチOTC と呼ばれている。
措置制度上巻139
福祉サービス利用の制度・決定の仕組みの一つであり、措置制度は行政機関が行政処分によって一方的にサービス利用に関する決定を行う仕組み。対象者にサービスを請求する権利や実施主体を選択する権利はない。その反対が、利用者と事業者の契約に基づいてサービスが提供される仕組みの契約制度がある。
障害支援区分上巻144
障害者等の障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すもの。障害支援区分によって必要とされる「サービスの利用量」を全国一律の基準で数値化したもの。認定調査項目は、ADL やIADL、コミュニケーション力など80項目をコンピュータの1次判定にかけ、医師意見書などもとに障害支援区分1~6を決める。
褥そう上巻145
褥そうは、身体の骨ばった部分に長時間にわたり「圧迫」が加わり、血液の循環障害が原因で皮膚組織が壊死することにより生じる。皮膚が薄くなり傷つきやすい、皮脂の分泌量が減少する、血流減少と代謝が落ちる、痛みを感じなくなるなどの症状が現れる。低栄養や糖尿病なども影響する。
女性解放運動中巻16
1970 年代初頭にアメリカ合衆国や日本などの先進国で起こった女性解放運動。戦争による人手不足が女性の積極的労働参加を促したことで、「女性も男性と同じ仕事ができる」という女性の社会的自立のきっかけとなったとされる。
性ホルモン中巻16
第二次成長期において男性は男らしい体つきに、女性は女らしい体つきに変化を促すホルモン。男性ホルモンであるアンドロゲンは、声変わりや体毛の増加、男性性器の形成と発達等に作用し、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンは、卵胞の成熟や妊娠の成立・維持に関与する。
摂食障害中巻17
「極端な痩せ願望」や「肥満恐怖」等により、食事を食べないまたは食べられない状況になる「拒食症」と、拒食による反動により食欲が抑制できなくなる「過食症」の総称。心理的ストレスが関与する。
スポーツ基本法中巻17
スポーツ基本法は、昭和36年に制定されたスポーツ振興法(昭和36年法律第141号)を50年ぶりに全部改正し、スポーツに関し基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本となる事項を定めるもの。
サルコペニア中巻24
筋肉の量が減少していく老化現象のこと。25~30歳頃から進行が始まり生涯を通して進行する。筋線維数と筋横断面積の減少が同時に進んでいく。主に不活動が原因と考えられているが、そのメカニズムはまだ完全には判明していない。サルコペニアは、広背筋・腹筋・膝伸筋群・臀筋群などの抗重力筋において多く見られるため、立ち上がりや歩行がだんだんと億劫になり、放置すると歩行困難にもなってしまうことから、老人の活動能力の低下の大きな原因となっている。
視床下部中巻46
脳の一部(間脳)にある。自律神経や内分泌(ホルモン)の働きを調節する中枢で、体温、血圧の調節等、生命を維持するために体内の状態を一定に保つ役割を担っている。
負荷心筋シンチ中巻52
心臓の筋肉(心筋)の細胞に取り込まれる薬剤を注射し、心筋細胞に血液が流れ、薬剤が届いているかを確認する検査。薬剤は微量の放射線を出すことでカメラに映し出される。冠状動脈に詰まった部分(狭窄)があると、その先にある心筋細胞での薬剤の取り込みが低下する。運動を行い心臓に負荷を掛けることで、狭窄の程度が軽度で、安静な状態では出現しない血流の低下を捉えることができる。
線維化中巻54
細胞同士をつなぎ臓器を支える役割を果たす、コラーゲンを含んだ細胞からなる結合組織が増殖すること。炎症によって肝細胞が障害されると、障害を治す過程で線維化が起こるが、線維化が持続して繰り返し起こると、肝細胞の多くが結合組織に置き換わり、肝臓の機能が低下した肝硬変となる。
歯周病中巻73
歯周病とは、歯肉(歯ぐき)やその周辺の歯根膜、歯槽骨(顎の骨)など、歯を取り囲んで支えている組織(歯周組織)が炎症によって破壊される病気の総称で、歯を支えている周囲組織が破壊され、歯がグラグラになる。さらに進行すると、歯根周囲の骨が吸収され、最終的に歯が抜け落ちる。炎症は、歯肉の部分に沈着した歯垢(プラーク)中に細菌が増殖することによって引き起こされる。
星細胞腫中巻76
神経膠腫(グリオーマ)の中で、成熟した星細胞から発生した最も一般的な腫瘍で、悪性度は低い。
酸化酵素中巻115
オキシダーゼとも呼ばれ、分子状酸素の基質を電子受容体とする酵素。ヘム含むチトクロム酸化酵素やカタラーゼは代表的な酸化酵素である。モノアミン酸化酵素(MAO) の働きを阻害することによって、脳内のドパミンなどの物質を増やす作用をする薬剤はモノアミン酸化酵素阻害薬と呼ばれ、パーキンソン病の治療や抑うつ性精神病の治療に用いる。
水晶体中巻127
動物・ヒトの目の前面にあって、角膜と共に光線屈折装置として網膜上に結像させるレンズとしての働きを持つ。
サリドマイド中巻129
睡眠などの作用を持つ薬剤として使用されたが、妊娠初期に服用してアザラシ病と呼ばれる奇形児が生まれるため使用禁止となった。しかし、らい(ハンセン病)などの治療にも効果を示す。
セロトニン中巻141
必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつで、視床下部や大脳基底核・延髄の縫線核などに高濃度に分布している。他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがある。セロトニンが低下すると、これら2つのコントロールが不安定になりバランスを崩すことで、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック障害などの精神症状を引き起こすといわれている。
中毒上巻73
毒にあたること。症状は摂取物、摂取量で左右されるが、呼吸困難、循環不全、催吐、下痢、腹痛、発熱、意識障害など。有毒ガスの吸入、飲料とした毒性液体、刺激物や毒物の皮膚への接触、毒性固形物の摂食などによる有毒な天然・合成化学質が原因となる。一時的な多量の毒物の摂取による急性中毒では、救急治療としての毒物除去、すなわち胃洗・腸洗、催吐、緩下剤の投与、血液浄化、強制利尿などの処置が行われる。また原因究明に、血液、胃液、尿などの検体が証拠となる。
中性脂肪値上巻84
血中の中性脂肪の濃度で、正常では 150 mg/dL 以下。メタボリックシンドロームの指標の一つで、食事からのエネルギー摂取過剰や飲酒の影響で上昇する。
鉄欠乏性貧血上巻109
日常最も多く見られる貧血で、生体内でヘモグロビンの合成に不可欠な鉄が欠乏し、ヘモグロビンがの合成が十分に行われないために生ずる。体の中に貯えられた鉄が枯渇すると現れる。
地方分権上巻138
公助・共助・自助の役割分担論の下、国の専管事業の福祉サービスなども都道府県・市町村に移管した(2000( 平成12) 年、地方分権一括法)。地方に権限を与えることで、地域間格差が拡大する地方の活性化と東京一極集中の是正、地域包括ケアとしての保健・医療・福祉サービスの見直し、住民参加方式への変化などが進んでいる。
点字
視覚障害者のコミュニケーション手法で、縦3点・横2 点の6 個の突起した凸点の組み合わせを指で触れることにより認識する文字。点字器は点字を書く道具で木製やプラスチック製のものがある。
透析治療中巻37
体内の老廃物や余分な水分を人工的に除去する治療方法で、腎臓の機能が高度に低下した場合に行われる。血液透析(血液を体外に出して浄化した後に、再び体内に戻す)と腹膜透析(お腹の中に透析液を出し入れすることで、腹膜を通じて老廃物や余分な水分を出す方法)の二つの方法がある。
胆石症中巻70
胆石症は胆嚢に石のような塊(結石)ができる病気で、日本でも食生活の欧米化(肉・油の多い料理を中心とした食事習慣)による脂肪摂取量の増加を背景にこの数十年で患者数が増加しているとされる。
対症療法中巻108
病気の原因ではなく、現れた症状、例えば高熱、痛み, 痒みなどを薬などで治す方法。病原微生物など原因を撲滅する方法、例えば抗生物質の投与とは異なる。
胆汁中巻148
肝臓で生成される胆汁酸・コレステロール・胆汁色素などを含む液体(胆液)で、胆道を通じて十二指腸に排泄され、脂肪の消化・吸収などの役割を示す。
地域包括ケアシステム中巻267
団塊の世代が75 歳以上となる2025 年を目指して、要介護の状態になっても「住み慣れた地域」で自分らしい暮らしを続けることができるよう、「医療・介護・予防・生活支援・住まい」が一体的に提供されることを目指したのが地域包括ケアシステムである。
特にこれからは、認知症高齢者の増加が見込まれるため、認知症高齢者が地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が求められている。
地域包括ケアシステムは市町村の人口規模や高齢化率によって、求められる「仕組み」は異なる。保険者である市町村が、医療・介護・福祉などと連携をとり、地域の自主性や主体性に基づき、「地域の特性」に応じて作り上げていくという視点が大切になる。

糖尿病上巻11 中巻35
糖尿病は、インスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で、血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下してしまうため、高血糖が慢性的に続く病気のこと。
重症になると血液中の糖が尿にあふれ出ることで甘い匂いがするためその名がるが、診断は尿糖ではなく空腹時血糖や75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)などの血液検査によって行われる。
1型糖尿病と2型糖尿病がある。1型はインスリン依存型とも呼ばれ、自己免疫疾患などが原因でインスリン分泌細胞が破壊されるもので、インスリンの自己注射が必要となる。一方で2型はインスリン非依存型と呼ばれ、遺伝的要因に過食や運動不足などの生活習慣が重なって発症する。その他の特定の疾患や機序(メカニズム)によるものや妊娠糖尿病があるが、その多くは2型である。

年齢調整死亡率上巻20
死亡率だけで見ると、高齢者人口の増加により主要疾患の死亡率は高くなってしまうため、昭和 60年の人口を基準として、年齢構成別の死亡数を算出し総和することで、各種疾患に対する医療や栄養状態などの影響として比較分析できる。
日本人の食事摂取基準上巻39
日本人の食事摂取基準は、健康増進法(平成14 年法律第103 号)第30 条の2に基づき厚生労働大臣が定めるものとされ、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を示すものである。
ネフローゼ症候群上巻111
血液は腎臓の糸球体という組織でろ過され、老廃物が取り除かれる。この糸球体に障害が起こり、多量のタンパク質が漏れて血液中のタンパクが減少し、むくみなどの症状の出る病気。まぶたの腫れ、手足のむくみ、腹の張った感じなどの症状が現れる。
内臓脂肪型肥満上巻117
一般に体脂肪とひとまとめに言われるが、存在部位により皮下脂肪と内臓脂肪に分けられる。特に腹腔内臓器の周囲に脂肪が溜まるものを内臓脂肪と呼び、その増大が肥満関連合併症と関連する。
中食中巻19
家庭外で調理された食品を購入して持ち帰り、家庭の食卓で食べる食事の形態のこと。コンビニエンスストアの弁当やスーパーマーケットのお惣菜、出前や宅配ピザ等が該当する。家庭内で調理して食べる「内食」と家庭外で食べる「外食」との中間に位置する造語。
ニトログリセリン錠中巻143
グリセリンの硝酸エステル。油状の液体で、心臓の冠状動脈の拡張を示し、狭心症などの治療に舌下錠として用いる。また、爆発し易く、火薬原料ともなる。
妊娠高血圧症候群中巻204
妊娠20週以降産後12週までに高血圧を発症した場合を言う。さらに、高血圧のみの場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める(尿中に蛋白が1 日当たり0.3g 以上出ること)場合は妊娠高血圧腎症と分類される。収縮期血圧が140mmHg 以上(重症では160mmHg以上)、あるいは拡張期血圧が90mmHg 以上(重症では110mmHg以上)になった場合、高血圧が発症したと言う。
保健指導上巻11
平成20 年より開始された、40 歳以上75 歳未満(年度途中に75 歳に達する人を含む)の被保険者および被扶養者を対象として、メタボリックシンドロームの予防・解消に重点をおいた、生活習慣病予防のための新しい健診・保健指導。これを「特定健康診査(特定健診)」・「特定保健指導」と言い、各医療保険者は実施を義務付けられている。
PFC熱量比上巻28
PFCのPはProtein(たんぱく質)、FはFat(脂質)、CはCarbohydrate(炭水化物)の頭文字を表しており、それぞれの摂取量(g)× 4(脂質は9)÷摂取エネルギー(kcal)×100で%を算出する。1日の摂取エネルギーに占める三大栄養素の割合を出すことで、脂質の割合が多い、炭水化物が少ないなどがわかり栄養状態の評価指標となる。日本では、脂質 20~30%、タンパク質12~13%、炭水化物が 57~68%くらいが適正とされる(18歳以上。対象によって変動する)。
バリアフリー上巻140
障害者や高齢者が日常の生活を送る上で障害(バリア)となるものを取り除く(フリー)という意味。建物や道路などの物理的な面だけでなく、社会的意識、法的・制度面、心理的意識における障害を除去して、支障なく本人が活動できる生活環境を作ることを目指す。
BPSD上巻148
BPSD とは、Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia の略。一般的には「認知症の行動・心理状態」と訳されている。かつては「問題行動」「行動障害」「周辺症状」と言われた。
フィラデルフィア染色体中巻78
慢性骨髄性白血病の90% 以上の症例に認められる染色体で、第9番染色体上に位置するc-abl 遺伝子が相互転座の結果、第22 番の染色体上のbcr遺伝子と組み替えを生じ、bcr/abl キメラ遺伝子が形成されたもの。その結果、チロシンキナーゼ活性が高まり、がん遺伝子の活性化(RAS シグナル伝達系)につながり、白血病を誘発すると考えられる。
ベンゼン中巻79
化学式C₆H₆ の正六角形構造を持つ基本的な芳香族炭化水素。無色芳香性、揮発性液体で、諸種の合成原料となるが、吸入すると毒性を示す。
発がん因子中巻102
国際がん研究機関(IARC)は、主に、人に対する発がん性に関する様々な物質・要因を評価し、5段階に分類している。IARCによる発がん性の分類は、人に対する発がん性があるかどうかの「根拠の強さ」を示すものである。物質の発がん性の強さや暴露量に基づくリスクの大きさを示すものではない。
フィードバック中巻132
入力と出力のシステムで出力に応じて入力を変化させる自動制御的な仕組みをいう。生体などでは過剰に生産されてバランスの崩れないような仕組みで恒常性を保っている(ホルモン産生などの制御)。
マクガバンレポート上巻34
1977年にアメリカでまとめられた食生活指針の報告書。心臓病等の増加による医療費負担増を打開する目的のもと、「食事(栄養)と健康・慢性疾患の関係」についての調査が実施された。マクガバンとは、調査プロジェクトの委員長の名前。
METs(メッツ)上巻36
身体活動の強度を表す単位。安静時における酸素摂取量3.5(ml/kg/分)を1METとし、運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍に当たるかを示す。
マイコトキシン上巻75
カビ毒のこと。カビの発生する毒性あるいは発がん性の二次代謝物で、300 種類ほどが知られている。古くはヒトの麦角中毒が知られており、特にアフラトキシンは強力な毒性や発がん性を家畜や実験動物に示す。カビで汚染された食品の摂取には注意が必要で、食品衛生上の問題となる。
慢性腎臓病(CKD)上巻113・ 中巻188
慢性に経過する腎疾患や腎臓の障害を、慢性腎不全・慢性糸球体腎炎・糖尿病性腎症などの従来の疾患分類とは別に、腎障害の存在と糸球体濾過値(glomerular filtrationrate:GFR)に基づいて、末期腎不全や心血管疾患のリスクとして包括的に捉えようとするのが慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)という疾患概念である。この新しい概念の導入により、CKD に対する医療が、医師だけでなく患者や一般市民にとって身近なものとなり、行政を含め社会全体で対策を立てることが可能になるものと期待されている。
脈絡膜上巻115
虹彩の裏側には毛様体と呼ばれる部分があり、さらにこれが眼の後ろまでつながり、脈絡膜と呼ばれる組織になる。これら虹彩、毛様体、脈絡膜を総称してぶどう膜と呼ぶ。この部位は色素が多く、血管に富むため、腫瘍ができやすい。特に脈絡膜は、ぶどう膜の中でも最も腫瘍が生じる場所とされる。
マタニティーブルー中巻23
妊娠中や、産後直後に情緒が不安定な状態に陥ること。妊娠や分娩によるホルモンのアンバランスによる一時的なもの。どうしようもない不安に駆られたり、涙が止まらないなど「うつ」に似た症状が見られる。
味覚閾値中巻23
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味などを味覚として感じ始めるレベル。味覚の感受性。塩味に対する味覚閾値が低い=かなり薄味の塩味を感じることができる。
薬価基準上巻129
一般の商品とは異なり倫理性の高い医薬品においては、その価格も厚生労働大臣により決められている。保険医療では、原則として厚生労働大臣の指定する医薬品以外は使用することができず、それらの医薬品とその保険から支払われる価格が薬価基準である。
要介護状態上巻147
食事・排泄・入浴から日々の家事などに他人の介助を必要とする状態のこと。一般的に介護保険申請時の状態のことを言う。
ライフスタイル上巻29
人生観・価値観・習慣などを含めた個人や集団の生き方を言う。食生活や健康意識に影響を与える要素として重要。
ロコモティブシンドローム (運動器症候群)上巻35・ 中巻25
加齢に伴う骨や関節の病気や、筋力、バランス能力等の運動機能の低下によって、転倒・骨折しやすくなることで、自立した日常生活ができなくなり、要介護となる危険性が高い状態。「ロコモ」と略され、「メタボ(メタボリックシンドローム)」や「認知症」と並び、健康寿命の短縮の要因にもなっている。
粒子状物質上巻75
環境汚染はCO2 などの増加のほか、毒性や発がん性のある粒子状物質が健康上の問題となる。煙のようには一見目に見え難い排気ガスを含め、石炭や石油の燃焼によって毒性や発がん性のある粒子状物質が多量に大気中に放出される。特に2.5 μm 以下の微小な粒子は肺の深部にまで入って慢性の気管支疾患や肺がんの原因になることが剖検例での観察や実験によって裏付けられている。